呪われた歌姫〜マイナー旧デジVerite RDC-800G |
このマイナー旧デジのVerite嬢。トイデジファンには見たことのあるカメラのはず。それもそのはずアキバではいまでも山になってジャンク品扱いとして売られているfpiedi(多分ピエディ)の同形亜種です。
違いは単にブラックボディ。と8メガCMOSということになっていますが、カメラ情報の機種名はCD500CEGFとなっていますから5メガが正直なところじゃないでしょうか。それに5Mで撮影しても電線などのシャギーが目立ちます。ですから本当のところ分かりません。でもパッケージには堂々と8メガピクセルと謳っています。でもトイデジやマイナー旧デジの性能を語っても意味がありません。
fpiediとの違いはもうひとつ。レンズが丸出しです。fpiedの方は電源スイッチと連動したレンズカバーがあります。素材的には両機種ともプラスチックボデイなのですが、Verite嬢の方がなぜか上質に見えます。これも黒という色のなせる技ですかね。ただしレンズ回りのプラスチックのメッキ加工がなんとも安っぽく、新品を手にした訳ではありませんからキズキズです。ここもメッキ無しのつや消しブラックで良かったんじゃないでしょうか?
さてこのカメラ。薄型の割には単4ではなくて単3なのでしっかり重さもありますし、動きが渋く、ゆがんだ操作ボタンのカッコ悪さを除けば、割といい線いってるトイデジだと思うんですけどね。
ただし持って歩くとなるとソフトケースではダメなんです。このカメラ電源スイッチが背面についているんですが、なにかの表紙にこのスイッチが押されて電源がはいることがあります。それと時々SDカードを読まないというか『カード保護!』のアラート表示が出て消えないことがあります。その時は別のカードを一回入れてから、また拒否されたカードを入れてあげると正常に働いたりします。なにしろメニューの中にカードフォーマットがないんですよね(探し切れていないだけかも)燃費もいい方です。ただし記録待機時間は長いですよ。
実はこのカメラ、実質は無料でした。その理由は「気持ち悪いからアゲルヨ」というもの。その気持ち悪いの正体はコレです!じゃじゃ〜ん。
そうなんです。液晶ディスプレーの中に髪の毛がウジャウジャ!!!しかも汚い!お店の人もジャンクとはいえ売りにくいですよね。前の持ち主もこれに気づいて売ったとか?こういう髪の毛って気持ち悪いことは確かです。fpiedもそうなんですが組み立て工場の環境とか管理がなっていないのか分かりませんが液晶ディスプレーを保護するカバーの裏側が以上に汚れているんですよね。
なので今年の夏に分解してお掃除してみました。分解ははめ込みの山が意外に強くけっこう大変。液晶部分をそっと持ち上げたら、えっ!髪の毛がない!それなのでそっと拭く程度で組み立て直し。ただしあらかじめブロアで吹いておいたのですが、どこにもあの呪いの髪の毛は見当たらず。
キレイになったのでしばらく使わないでおいたら、なんとのまたあの液晶部分に髪の毛出現!おお完璧に呪いだ〜。再度分解。やっと髪の毛をつまみ出し解決。
これは電池とバランスを取るためのウエイト。軽過ぎると安っぽさが増しますから、そのごまかしもあるんでしょうね、キット。
さて作例です。PCに取り込んだ状態ではこのようにぼんやりとした画像です。これはこれで味があるといえばありますが。
このカメラの味は夕刻に出るのかもしれません。意外と暗さに強いのです。しっかりホールドすれば味のある絵を作り出せます。まるで昔の名画座で見たフランス映画のような色調が出現。呪いもとけたことですし、歌わせればいいデジカメになるかもしれないという期待が湧いてきます。
自然より都会的な景色の描写が似合う気がします。ちょっと歌わせる気分でこのカメラとハモればいい感じの写真が撮れます。ちょっとザラついた粒子感を生かすかどうかでしょうね。でもこのカメラクローズアップ機能がついていません。ですからお散歩カメラにはちょっと向きません。fpiedならアキバをこまめに探せばジャンク品はまだ見つかるかもしれません。その時はディスプレイの髪の毛にご注意を。